自作EAのご紹介②-2(#0002_EURUSD_レンジ)

FX_第二章【システムトレード】

4か月前に紹介したEAですが、フォワードテストにていくつかの課題が見つかったため稼働を停止していました。

これまで開発してきたEAの中でも優れたロジックになっていることは間違いないと考え、思ったような結果が出なかった原因の分析とその対策を立てましたのでご紹介します。

前回記事は以下リンクです。

それでは始めていきます。

いくつかの課題

2023年10月~2024年2月29日までの実際の損益は、およそ-12000円。

かなりマイナスが出てしまっています。

原因調査を行い課題を明確にしていきます。

課題① フォワードテスト(バックテスト)の精度

少し気にはしていたのですが、MT4のテスト結果と実際の損益が整合性がないことがわかりました。

フォワードテスト結果は以下。結果が合いません。

2023年10月1日~2024年2月29日までのフォワードテスト結果

PF 0.99

勝率 60.81%

純益 -1708.97

課題② 損益

上記のフォワードテスト結果でもこの5か月間ではほぼ利益が取れていないことがわかります。

さらに実際の損益は悪く、このEAのロジックに問題がある可能性があります。

原因調査と対策

課題① フォワードテスト(バックテスト)の精度

いろいろと調べたのですが、詳細を記載してもしょうがないのでわかったことを整理します。

 ・テスト時のスプレッドの設定:通常3(=0.3pips)。指標時などは大きく広がるケースが多い。

 ・EA稼働手数料の反映:なし。 実際の取引では2円/回(≒0.2pips)

つまり、スプレッドの設定が通常3でテストを行いますが、この点が実際の取引との差であることがわかりました。

これも条件出しをいくつかしましたが、実際の取引と異なり一意の値しか設定できませんので、設定を6にすると実際の損益に近くなりそうだということがわかりました。

設定6で再度5か月間のフォワードテストを行うと以下のようになります。

2023年10月1日~2024年2月29日までのフォワードテスト結果 設定6

PF 0.93

勝率 59.49%

純益 -12229.33

PFが1.0を下回っているため、このままでは使えません。稼働を停止した判断は正解だったことになります。

損益

上の設定6の時の損益のチャートを見ると、上昇(利益)はじりじり、下落(損失)はストンと勢いよく進行することがわかります。

前回の記事でも触れました通り、損切の設定がないためにトレンド発生時には損失が連鎖するロジックになっていることが原因であると考えています。

対策として、①損切設定を入れる、②対象時間軸を変える、の2点を検討しました。

結果的に①は勝率を落としてしまうために利益が伸びずに良い結果が得られませんでした。

したがって②を検討しまして、M15での運用を行うこととしました。

設定6で5か月間のフォワードテストを行ってみます。

PF 1.18

勝率 62.31%

純益 +10968.07 → 平均年利26323円

しっかりプラスになることがわかります。このEAはボリンジャーバンドをベースにしたロジックになっていますので、無駄なエントリーが減った分勝率が上がったことが改善理由と考えます。

念のため長期間(5年間)でのバックテストの結果も確認しておきます。

2018年10月1日~2023年9月30日

PF 1.20

勝率 64.25%

純益 +177121.88 → 平均年利35,424円

直近5か月間の結果とそん色ない結果が得られました。

一応、参考までにM5で同期間をスプレッド設定6でやり直してみます。

結果が煩雑になってしまうため、表にまとめます。

時間足M5M5M15M15
スプレッド設定3666
期間5年間5年間5年間直近
5か月
PF1.131.051.201.18
勝率65.07%63.49%64.25%62.31%
純益平均年利
62,446円
平均年利
23,111円
平均年利
35,424円
平均年利
26,323円

M15にすることでPFは改善しますが、取引回数が少なくなり結果的に純益が減ると考えていました。

スプレッド設定を実勢の取引に寄せてのテストを行うと、M15のほうが取引回数が少ないために手数料の影響が小さくなり、良い結果が期待できる結果となりました。

まとめ

・スプレッド設定に、取引手数料とイレギュラーなスプレッドになった影響も反映させることでテスト制度が改善する。

・スプレッド設定を適正化すると、EAロジックによっては対象時間足を変更する必要がある。

・今回モデルにしたEAの場合は、M5よりもM15のほうが利益が期待できることが分かった。

今回の結果を生かして、ほかのEAの開発、改良を進めていきます。

最後までお目通しいただきありがとうございました。

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